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新生児ニキビとは?赤ちゃんにできるニキビの原因と予防ケア

新生児ニキビとは?赤ちゃんにできるニキビの原因と予防ケア

「新生児ニキビ」は、生まれてすぐの赤ちゃんの頬やおでこなどによくみられる、乳児湿疹のひとつです。赤ちゃんの肌はすべすべなイメージがありますが、実は生後2~3ヶ月頃までは皮脂による肌トラブルを起こしがち。

そこで今回の記事では、皮膚科医の原みずき医師の監修のもと、新生児ニキビの原因や予防につながるホームケアのポイント、気になる疑問などを解説します。

新生児ニキビとは?

新生児ニキビとは?

新生児ニキビは医学用語で「新生児挫創(しんせいじざそう)」といい、赤ちゃんによくみられる乳児湿疹のひとつ。生後1週間~1ヶ月頃によくみられ、頬やおでこ、あごなど皮脂の分泌が多い部分にできるニキビのような発疹です。

新生児ニキビは、男の子に比較的多く、新生児の約20%に見られるとされており、よくある肌トラブルです。発症してから数カ月以内に自然に消えていくことがほとんどです。

頬や顔全体に広がる、かゆくない発疹

頬やおでこを中心に発疹ができ、そのままにしておくと顔全体に広がっていきます。 新生児ニキビは思春期にできるニキビと同じようなもので、米粒大ほどの赤いぶつぶつや、白い芯がある発疹が現れます。 詰まった毛穴は細菌感染をおこしやすく、悪化すると赤くなったり膿をもったりすることがあるので注意が必要です。基本的にかゆみはありませんが、炎症が悪化するとかゆみや痛みが生じる場合もあります。

新生児ニキビの原因は「皮脂」

生児ニキビの原因は「皮脂」

生まれたばかりの赤ちゃんの体には、ママからもらったホルモンが残っています。その影響で、生まれてから1ヶ月間ほどは皮脂の分泌がさかんになります。そのため、一時的に肌が脂っぽくなり、余分な皮脂が毛穴に詰まりやすい状態になります。皮脂が詰まった毛穴に細菌が感染して炎症を起こすと、ニキビのような発疹ができてしまうのです。

成長によって肌状態が変化

新生児ニキビは病気というよりも、赤ちゃんの生理現象のひとつ。成長して赤ちゃんの体内に残っていたホルモンが減っていくのに伴って、皮膚の脂っぽさがなくなり、自然と新生児ニキビはできにくくなっていきます。

反対に、生後2~3ヶ月を過ぎるころになると肌が乾燥しやすくなり、かゆみを伴う乾燥性の湿疹が増えます。

新生児ニキビができた場合はどうする?

新生児ニキビは医療機関を受診して治療しなくても、お家でのスキンケアでよくなる場合も多いです。症状がでても慌てずにすむよう、正しいケアのポイントをおさえておきましょう!

皮脂をやさしく洗い流して清潔に

皮脂をやさしく洗い流して清潔に

新生児ニキビの原因となる余分な皮脂をとり除き、肌を清潔にしておくことが新生児ニキビのケアになり、予防にもなります。

肌の汚れはお湯だけでは落としきれないので、低刺激なベビー専用のソープや石鹸を使ってたっぷりの泡で優しく洗うのがポイント。ゴシゴシ洗うと刺激になり乾燥してよけい肌が荒れる原因になりかねません。

また、洗浄剤を使って洗うのは1日1回程度にとどめましょう。洗い過ぎは必要な皮脂まで落としてしまい肌の乾燥を招いてしまう可能性もあります。
さらに発疹があるときは、長湯も避けてぬるめのお湯で早めに切り上げましょう。

しっかりと洗浄した後はタオルで水分をふき取り保湿剤をたっぷりと塗りましょう。

新生児ニキビは、軽い症状であれば「洗うケア」と「保湿ケア」をきちんとしていれば自然と治ることがほとんど。もし、自宅ケアでよくならない、悪化した場合はかかりつけの病院で診てもらいましょう。

寝具や衣類の清潔も忘れずに

具や衣類の清潔も忘れずに

直接肌に触れる寝具や衣類の汚れが原因になることもあるので、こまめに洗濯して常に清潔を保つようにしましょう。 生後しばらくは布団のうえで過ごす時間も長いので、肌への負担が少ない綿素材のものを選ぶなどの工夫も大切です。

かさぶたをはがさない

かさぶたをはがさない

新生児ニキビは悪化すると、かさぶたになることがあります。かさぶたを無理にはがすと、さらに炎症が悪化する場合があるので必要以上に触らないようにしましょう。

また、赤ちゃんが触って悪化させないよう、こまめな爪切りも忘れずに。指の肉と同じくらいの長さにして、角を落とすようなめらかに整えるのがポイントです。

新生児ニキビの症状がひどい・よくならない場合は受診を

新生児ニキビの症状がひどい・よくならない場合は受診を

新生児ニキビは、個人差はありますが生後3~4ヶ月頃には症状が自然と治まることが多いです。
しかし、ケアをしていてもなかなか治らない、症状が悪化して炎症が広がってきたときは、かかりつけの小児科か皮膚科を受診しましょう。特に、膿んでいたり、発熱している場合は早めの受診をおすすめします。
また、慢性的に皮膚に炎症が出たり、赤みやかゆみがある場合は、アトピー性皮膚炎の可能性もあります。治療が必要なケースもあるためその場合は早めに医師へ相談しましょう。

▼病院へ連れていくタイミングの目安

  • 膿んでジクジクしている
  • 顔以外にも発疹がたくさんできた
  • かゆみがある
  • 生後3〜4ヶ月を過ぎてみ、なかなか症状が改善しない

新生児ニキビの症状によっては、非ステロイド外用薬や抗生物質の入った軟膏などが処方されることがあります。塗り薬が処方された場合は、医師の指示通りに用法・用量を守って治療しましょう。

薬によって保存期間は違うので確認を!

基本的には常温保存が可能です。チューブ入りの薬は、未開栓なら使用期限まで保存できます。開栓後や容器で処方されたぬり薬の保存期間は、薬によって異なるので薬局で確認しましょう。

新生児ニキビから赤ちゃんの肌を守る!スキンケアのコツ

基本のホームケアを日頃から徹底することで、新生児ニキビをはじめ、肌トラブルの予防につながります。まずは、お家のケアをぜひ実践してみてください!

赤ちゃんの顔の洗い方

赤ちゃんの顔の洗い方

お湯の温度は熱いと肌が乾燥しやすくなるので、38~39度くらいを目安に。
こわがらずに顔もベビーソープで丁寧に洗ってあげてください。ガーゼではなく、指の腹を使ってたっぷりの泡で「泡をころがす」ようにやさしく洗いましょう。Tゾーンなど汚れがたまりやすい箇所を中心に、頬、口の周り、顔全体を洗います。

洗い流すときは、おでこ辺りからやさしい水流のシャワーで流します。赤ちゃんの頭を少し持ち上げ、お湯が上から下へ流れるように角度つけてあげると、鼻や口に入りにくくなります。
シャワーは直接顔にかけて大丈夫。最初はビックリする赤ちゃんも、慣れるまで個人差はありますが自然と目を閉じてくれるようになります。

\ここに注意!/

石けんのすすぎ残しは肌荒れのもと。肌に石けん成分が残っていると、肌を刺激して新たな炎症を起こすことも。すすぎ残しを防ぐために、石けんをしっかり泡立てて洗うようにしましょう。泡で出てくるフォームタイプなら手軽でおすすめです。

新生児ニキビの予防には保湿も大切!

新生児ニキビの予防には保湿も大切!

肌が乾燥すると皮膚を守るバリア機能が低下し、細菌やウイルスだけでなく摩擦などの刺激を受けやすくなります。新生児ニキビをはじめ、さまざまな肌トラブルの原因にも。
赤ちゃんの肌トラブルを避けるためには、毎日の保湿ケアで常に潤いのある状態を保つことが大切です。

保湿剤は体の各パーツ500円硬貨大の量が目安です。おでこや頬、あごなどに保湿剤を点々とのせて、指の腹でやさしく顔全体に広げていきます。

保湿は朝夕1日2回を目安に。朝起きたときと入浴後、こすらずにやさしく「押しぶき」して水分を拭きとった後に保湿してあげてください。目安としてティッシュがくっつく程度にたっぷり塗るのがコツ。

また、日中も頬や口周りなど肌トラブルが起こりがちな箇所をチェックし、肌がカサついていたらこまめに保湿してあげましょう。

どんな保湿剤を選んだらいいの?

暑い夏はさっぱりとしたローションタイプ、乾燥しやすい冬はローションよりも油分の多いクリームタイプがおすすめですが、ローションタイプを一年中使っても大丈夫です。
乾燥が気になる部位には、ローションに加えてクリームやオイルを合わせ使いするなど肌の状態に合わせて調整してみてください。

また、エタノール、パラベン、香料、着色料、石油系界面活性剤などの成分が入っていない、低刺激なベビー専用保湿剤を選ぶようにしましょう。

気になる新生児ニキビのQ&A

Q. 母乳が新生児ニキビの原因になるってホント?

A.「母乳の質が原因で赤ちゃんの肌荒れが起きてしまう」といった話も聞かれますが、医学的な根拠はありません。ただ、母乳が赤ちゃんの肌に付着し、皮膚を刺激して肌荒れの原因となることがあります。よだれや吐き戻しなどで汚れやすいので、授乳後は口周りや衣類などを清潔にしてあげましょう。

Q. 新生児ニキビにワセリンは効果的?

新生児ニキビにワセリンは効果的?

A. ワセリンには保湿成分や抗炎症成分などは含まれていないので、新生児ニキビを治すことはできません。新生児ニキビが既にできている場合に粘度の高いワセリンを患部へ塗ると、かえって毛穴を詰まらせて悪化する可能性もあるため、使用を控える方がよいでしょう。
ただし、乾燥予防として普段の保湿ケアにプラスして、ローションの後にワセリンを重ね塗りすると保湿効果が高まります。

新生児ニキビはホームケアで予防・対策を!

ニキビはホームケアで予防・対策を!

新生児ニキビをはじめ、赤ちゃんの肌は湿疹や赤みがでたり、カサカサしたりとトラブルを起こしがち。日々のスキンケア習慣で、できる限り肌トラブルを予防してあげたいですね。

新生児ニキビは成長とともに自然と症状が治まってくることが多いので心配しすぎず、きちんと「清潔」と「保湿」のケアを続けてあげましょう。それでも心配なことがあればかかりつけの病院を受診し、医師に相談してくださいね。